創傷部位の末梢血流量の低下は、依然として創傷治癒の大きな障壁となっている。難治性創傷とは、標準的な治療では治らない創傷と定義される。低周波振動は、血流を改善することで、褥瘡、糖尿病性足潰瘍、静脈性下腿潰瘍などの難治性創傷の治癒を促進するのに役立つ可能性がある。しかし、難治性創傷に対する有効性を裏付ける証拠はこれまで不十分であった。このスコーピングレビューでは、各データベースから難治性創傷と振動に関連するすべての研究を検索・統合することで、難治性創傷の治癒における振動の有効性に焦点を当てた。その結果、低周波、低強度の振動療法は、血流を改善、痛みを軽減し、滲出液を減少させ、壊死組織を除去し、創傷治癒に関連する一酸化窒素の発現を増加させることにより、難治性創傷（褥瘡、糖尿病性足潰瘍、静脈性下腿潰瘍を含む）を効果的に治療できることが示唆された。この研究は、難治性創傷を持つ患者を治療する臨床医や、振動を用いた研究を計画している研究者の介入に役立つであると考えられる。
Effectiveness of Vibration Therapy for Hard-to-Heal Wounds in Clinical Study: A Scoping Review
