本研究では、児童虐待予防に携わる保健師が抱く陰性感情を測定する尺度を開発し、その信頼性と妥当性を検証しました。文献検討、専門家レビュー、保健師へのインタビュー、パイロット調査を経て作成した尺度を用い、全国の保健師を対象に質問紙調査を実施しました。探索的・確認的因子分析の結果、「攻撃的・感情的態度への陰性感情」と「拒否的・非協力的態度への陰性感情」の2因子15項目が抽出され、高い信頼性と妥当性が確認されました。本尺度により、虐待予防支援の現場で保健師が抱く困難な感情を可視化でき、支援の質や心理的負担との関連を検討する基盤が得られます。保健師への支援体制を検討する上で、有用な評価ツールとなることが期待されます。
論文全文はこちら:https://doi.org/10.1111/jocn.70128

