失禁関連皮膚炎(IAD)は、高齢者の失禁に伴って起こる深刻な皮膚障害のひとつです。特に細菌を含む尿が原因となるIADの予防には、吸収パッドで尿の性質をコントロールすることが有効と考えられますが、その効果を検証する動物モデルはこれまで存在しませんでした。本研究では、細菌を含む尿を吸収させたパッド片をラットの皮膚に貼付(10時間×5日間)することで、IADに似た皮膚変化を人工的に再現しました。また、IAD様の所見として、皮膚の赤みや炎症、バリア機能の低下が認められました。このことから、尿中の細菌がIADの発症に関与することが示唆されました。本研究で提案された動物モデルは、今後、IADを予防する吸収パッドやケア製品の開発に活用されることが期待されます。
Incontinence-Associated Dermatitis-Like Skin Changes Induced by the Application of Absorbent Pads Containing Bacteria and Artificial Urine in Rats
