現代急性期医療において静脈アクセスによる治療は不可欠であるが、その合併症発生は依然として防ぎ切ることができていません。 PICC(末梢留置型中心静脈カテーテル)は、近年使用が増えている静脈アクセスデバイスの1つだが、その使用の実際(リアルワールド)における合併症発生は検証されて来ませんでした。 そこで本研究では本邦全国から収集されたDPCデータベースに基づいて、肺塞栓などの合併症発生が従来型であるCVC(中心留置型中心静脈カテーテル)と比較して高いかどうかを傾向スコアという統計学的手法を用いて解析しました。 その結果、PICCはCVCに比較して合併症発生が高い可能性を示しました。 今後、これの合併症の予防、適切な静脈アクセスデバイス選択の基準の検討が急務です。